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「すべての出会いや出来事には意味がある」

「すべての出会いや出来事には意味がある」

ビジネスを支える

公開日:2026.09.10

更新日:2026.09.10

この記事を読む前に、まず聴いてほしい曲がある。

鳩飼猛(はとがい たけし)さんのテーマソングだ。

突然、会社がなくなった日。
家族との時間を犠牲にしてしまった過去。

「もっと成功してから会いに行こう」と思っているうちに、二度と会えなくなってしまった恩人。

その瞬間だけを見れば、できれば経験したくなかった出来事なのかもしれない。
でも、振り返ってみると、その一つひとつが今の生き方につながっている。

人生には、自分では選べない出来事が起こる。
そして、思いもよらない人と出会う。

大切なのは、そこで何が起きたかだけではない。

「この出来事には、どんな意味があるのか」

そう問い、自分の人生にどうつなげていくか。
彼はそれを、「縦糸と横糸」と表現する。

出会いも、別れも。
成功も、失敗も。
後悔さえも。

すべてがいつか、自分が人生で成し遂げたい「志」につながっていく。

まずは、この曲を聴いてほしい。
そして、一見バラバラだった人生の出来事が、どのように一本の線となり、

「目の前の人の可能性を信じ、志に火を灯す」

という生き方へつながっていったのか。
その人生を辿っていこう。

【STAND UP】

昼逃げ、家族との後悔、二人の恩人 

すべての出来事を「志」につなげる男が目指す、日本を良くする生き方
株式会社Create Reality 代表取締役社長の鳩飼猛さんへお話を伺った。

「現実を創造する」

それが、株式会社Create Realityという社名に込められた想いだ。

人は、同じ出来事を経験しても、見えている世界が違う。
つらい出来事を「最悪だ」と捉える人もいれば、「ここから何を学べるだろう」と考える人もいる。
その違いによって、その後の人生は大きく変わっていく。

「過去の僕は、完全に他責人間だったんです」

そう笑いながら話す彼には、自分の人生を自分でつくることへの強いこだわりがある。

親がこうだったから。
家族がいるから、こうしなければならない。
周りがそうしているから、自分もそうする。

そんなふうに、誰かの価値観の中で生きるのではなく、

「自分がやりたいことを、自分の手でつくっていく」

そのための勇気を、一人でも多くの人に持ってほしい。

「人は誰でも、いつからでも、どこからでも、必ず良くなれる」
こんな僕でも変われたことを伝えていきたいです。

この言葉の背景には、決して順風満帆ではなかった人生がある。

「今日から起業する。俺、何でもやるから」

起業したいという思いが芽生えたのは、大学4年生の頃だった。
しかし、本格的にその道へ踏み出すことになったきっかけは、思い描いていた華やかな独立とはほど遠いものだった。

前職の突然の倒産。
それは、まさに「昼逃げ」だった。

ある日、社長から突然こう告げられた。

「今すぐに荷物をまとめてここから離れてくれ。そしてここにはもう来ないように」

外注先から危害を加えられる可能性があるという。
状況を理解する間もなく、会社を離れることになった。

その日の午後4時。
同僚とデニーズに入り、「明日からどうすっかー」と最後の乾杯をした。

そして彼は、

「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」

そう言って席を立つと、トイレで手当たり次第に連絡を始めた。

「今日から起業するから。俺、何でもやる。何でもやるから、仕事ないかな?」

格好なんてつけていられなかった。

帰り道には妻に迎えを頼んだ。

「何でこんなに早いの?」

「いや、あの……今日、早く帰れたんだよ」

その日、家に帰ると、偶然にも三男の誕生日会だった。

近所の子どもたちやママたちが集まり、家の中はにぎやかだった。

「パパ、お帰りー! 早かったね今日!」

「……あ、どうもー。ちょっと上で仕事してくるね」

2階に上がったものの、頭の中は真っ白だった。

「起業しよう」

そう決めた。

でも、

「……何したらいいんだ?」

技術もない、お金もない。。不安しかなかった。

息子が2階まで唐揚げとビールを持ってきてくれた。
けれど、その日は味がまったくしなかった。

翌日も仕事はない。

それでも妻に心配をかけたくなくて、スーツを着て、

「いってきます」

と家を出た。

2週間、胃がキューッと締めつけられるようだった。

売上が立つ保証なんてない。
何の後ろ盾もない。

それでも、やるしかなかった。

「背水の陣になると、かっこつける意味がなくなるんですよ」

周囲の力を借りながら、とにかく動いた。
すると、驚くことに2週間で100万円の売上が立った。

その経験から、彼の中に一つの確信が生まれた。

「何も自分にないところからでも、がむしゃらに動けば、何とかなる」

そして、

「やりたいことを成すなら、やりたくないこともやろう」

と決めた。

当時、SNSにこんな言葉を残している。

「『できる・できない』『やる・やらない』で考えてる時は余裕がある。本当の意味で追い込まれると、『やる』って選択肢しかなくなる」

これが、彼の起業の原点だった。

お金を追いかけた先で、失ってしまったもの

しかし、起業後の人生が順調だったわけではない。

新卒でまだお金がなかった頃、長男を授かり、さらに年子で次男、続いて三男を授かった。

「稼がなきゃ」

その一心で、さまざまな副業に手を出した。

「自己投資だ」と学びにもお金を使った。

気づけば、自転車操業。

頭の中から、お金のことが離れない。

妻にも金銭的な負担をかけてしまうこともあり、「離婚」の二文字を突きつけられたこともあった。

当時、妻はパートで土日も働いていた。
その間、彼が子どもたちを見る。
家族全員で過ごす時間は、ほとんどなかった。

子どもが一番かわいい時期だったのに、家族旅行にも行けなかった。
新婚旅行にも行けていない。

振り返れば、そこには後悔が残っている。

「もっと子どもたちにしてあげたかった」

その経験は、今の彼の価値観を大きく変えた。

現在は少し余裕ができ、

「今は妻とのデートを大切にしています。ディズニーランドもディズニーシーにも行きます(笑)」

と話す。

そして20代の人たちに伝えたいこととして、3つを挙げてくれた。

一つ目は、子どもといられる時間は、限りなく有限だということ。

二つ目は、20代のうちに、少し苦労してでも自己投資をすること。

20代は「自分がどう生きるのか」に気づくための時期。

さまざまなことに挑戦しながら、自分がどの領域を深く掘っていきたいのかを見つけることが大切だという。

そして三つ目が、家族を大切にすること。

「自分が死んだとき、どういう順番で自分を囲んでもらいたいか?って考えたら、近くに取引先の人がいてほしいって思う人はいないと思うんですよ(笑)」

仕事よりも、遠くにいる人ではなく、まず近くにいる家族を大切にする。

なぜなら、夫婦喧嘩をしていたり、子どもと喧嘩をしていたりすると、結局、仕事にも身が入らないからだ。

目指しているのは「100億企業」ではない

だからこそ、今、彼がお客様に向き合うとき、単純に「売上を上げましょう」とは考えない。

彼が大切にしているのは、

「人は、人生で何を成し遂げたいのかが明確になると、力強くなる」

ということだ。

お客様とは、単なる売り手と買い手の関係ではない。

「同志」になりたい。

自分は人生でこれを成し遂げるために生きている。
そのために、今この仕事をしている。

そんな志を持って働く、子どもから見てもかっこいいお父さんを増やしたい。

志を持つ経営者が増えれば、そこで働く従業員も生き生きする。
それを見た奥さんや子どもたちが、

「パパ、かっこいいな」

と思える。
そんな家庭を増やしていきたい。

だから、彼にとって「成功」は、100億円企業をつくることではない。

「お客様が同志となって、自分の志をちゃんと見つけて、正しい社会貢献をして、まっとうな対価を得て、本当に人の役に立つ。日本社会を良くするための行動を取れている人たちを増やすことの方が、僕はワクワクするんです」

「成功者になるぞ」 2度のポジティブな勘違い

彼の人生には、二人の大きな存在がいる。

一人は、資産家だった祖母。

千葉県で高額納税者ランキングに載るほどの人だった。

4歳の頃、祖母から、

「たーちゃんは、成功者になるぞ」

と言われた。

その言葉を、彼は素直に信じた。

そして24歳の頃。
もう一人の恩人である、保険代理店の女性会長。
「鳩ちゃんは、将来成功者になるわよ」

本当におせっかいで、周囲には仲間が多い会長。

人生の岐路に立った時に必ず相談する占い師からこんな言葉を言われた。

「この子は将来大成するぞ。でも私たちはそれを見ることはできない、残念ね」 と言われたと話してくれた。

しかし、その会長に改めて挨拶に伺おうと思っていた矢先、亡くなられたとの知らせが入った。

そこで彼の胸に、大きな後悔が残った。

「もっと成功してから、もっと成功してから会いに行こうと思っていたんです」

もっと成功した姿を見せてから、会いに行きたかった。

だから、すぐには会いに行かなかった。

その時間は、もう戻ってこない。

しかし、その会長から学んだ「成功者」の意味は、今も彼の中に生きている。

会長は大震災のときには、自ら車を運転して福島へ支援物資を届けた。

カンボジアでは、親のいない子どもたちの学校に物資を届け、さらに子どもたちを日本へ招き、ディズニーランドへ連れて行った。

「本当の意味で、お金持ちだなと思ったんです」

お金を「持っている」だけではなく、お金を「生かしている」。

二人の恩人から、そんな生きたお金の使い方を学んだ。

志は「コンパス」。17,000人の経営者に届ける

彼には、10年後の明確な景色がある。

日本の経営者17,000人に影響を与える。
その背景には「3.5%の法則」「ジラード250の法則」から導き出された、「これだけの人たちに影響を与えることができれば、日本の未来は必ず良くなる」という想いがある。

彼自身の志は、

「目の前の人の可能性を信じ、志に火を灯すことで、自分はできるという勇気と未来への期待を与えるような存在となる」

というもの。

そして、その志を形にするために構想しているのが、

「志動塾」

だ。

志を「動かす」と書いて、志動塾。

人生を通じて何を成し遂げるのか。
その問いに向き合い、自分の志を立てる。

「志はコンパスなんです」

中小企業の経営者が、自分の志を見つけ、その志に向かって生きる。
その一人の変化が、家族へ、社員へ、仲間へと広がっていく。
そうして日本全体が少しずつ良くなっていく。

それが彼の描く未来だ。

人生は「縦糸」と「横糸」でできている

今回のインタビューで、彼が最後に「これだけは伝えたい」と語ったのが、

「縦糸と横糸を大切にしてほしい」

という言葉だった。

縦糸とは、自分が生まれたときから定められている運命。

言い換えれば、「志」。

なぜ自分は生まれ、何をするためにここにいるのか。
そして横糸とは、人生の中で起こる出来事や、出会う人たち。

人生には、予想もしなかった出来事が起こる。

会社が突然なくなることもある。
お金に苦しむこともある。
家族との時間を失い、後悔することもある。
大切な人を失うこともある。

でも、その出来事一つひとつに、

「この経験から何を学べるのか?」

という問いを持つ。

そして、そこに意味を見出し、感謝する。

すると、横糸として起きた出来事が、自分の縦糸。つまり志に気づくきっかけになっていく。

「人生における、すべての出会いや出来事は必然であり、意味があるからこそ現れると思っています」

逆境を経験した人ほど、学びの種は広がっている。

その出来事から意味を見出せるほど、人生の糸は太く、濃くなっていく。

昼逃げから始まった独立。
家族を大切にできなかった後悔。
二人の恩人からもらった「成功者になる」という言葉。
そして、今、目の前にいる人の可能性を信じ、志に火を灯したいという想い。

一見するとバラバラに見える出来事も、振り返れば一本の線でつながっている。

人生とは、最初から完成された道を歩くことではない。

起きた出来事に意味を見つけ、自分の手で未来を創っていくことなのかもしれない。

「人は誰でも、いつからでも、どこからでも、必ず良くなれる」

そう語る彼自身が、その言葉を人生で証明し続けている。
そして、これからも多くの人たちの志に火を灯し、その火を次の誰かへ渡していく。
それが、彼にとっての「現実を創造する」ということなのだろう。

編集後記

今回お話を伺って強く感じたのは、この方が「成功」という言葉を、一般的な意味とは少し違う場所に置いていることでした。

会社を大きくすること。
売上を増やすこと。
社会的な地位を得ること。

もちろん、それらも一つの成功です。

けれど、彼が本当に増やしたいのは、「自分の人生を自分で生きる人」なのだと思います。

その原点にあるのが、かつての「他責だった自分」と、家族との時間を犠牲にしてしまった後悔。そして、亡くなった恩人に「もっと成功した姿を見せたかった」という想いでした。

だからこそ、「志」という言葉に説得力があります。

人生には、思い通りにならないことがたくさんあります。

けれど、その出来事をどう解釈し、何を学び、次の一歩に変えるかは、自分で選ぶことができる。

「縦糸と横糸」という考え方は、そんな人生の見方を教えてくれる言葉でした。

あなたの人生に起きた出来事は、今、どんな意味を持っているでしょうか。

そして、その出来事の先にある「自分は何を成し遂げたいのか」という縦糸は、どこにつながっているでしょうか。

もしかすると、これまで「失敗」だと思っていた出来事の中にこそ、あなたの志につながる大切な種が眠っているのかもしれません。

【STAND UP】

【歌詞】
夢はもう見ないのかい 明日が怖いのかい
さらけ出すのが苦手で 思ったことが言えなくて

劣等感は昔からいつも隣にいて
悔し涙を流した分だけ 僕を強くする

ひび割れた心をやさしく包みこみ
孤独の夜を何度も越えてきた

夢はあるかい 夢を持って
何者かを目指した少年
変われるかい 怖いだろう
かっこつけてないで 立ちなさい

笑い合って 語り合って
生きることを諦めないで
過去の犠牲者にはなるな
そう 立ちなさい

君は誰の為生きてるの 何を成したいのですか
過去をうらむ訳ではないけど
自信がなくて

好き嫌いで型にはまらないで 損して得を取れ
なるようになるのさ
今は分からなくても

君の成功って いったい何だい
誰かのヒーローになれたら
いいのにな

夢はあるかい 夢を持って
何者かを目指した少年
変われるかい 怖いだろう
かっこつけてないで
立ちなさい

笑い合って 語り合って 生きること諦めないで
過去の犠牲者にはなるな そう立ちなさい

負けないで 忘れないで
可能性に蓋をしないで
たまには羽を休めて
また飛べばいい
立ち止まってもいい
また立ちなさい

鳩飼猛さん SNS】

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Writer /

記事担当ライター

Yuki Yoshino

吉野 結生

人々の人生を丁寧にヒアリングすることで定評あり。ターニングポイントや人の底から湧き上がる想いを拾い上げ、人に愛を持って接することが評判を呼び、口コミで広がり続けている。そのような想いを歌にして日々、多くの人に歌を届けている。現在、企業や事業者にその波が広がってきている。